全国高校生 何でも、アリ。Creative Award 2022 全国高校生 何でも、アリ。Creative Award 2022 全応募作品をみる

金賞
《JR東日本 秋田支社賞》学園生活を短歌で紡ぐ。
つきのうえ(大谷高等学校)

ただの高校3年生。そしてクラスの端っこに佇んでいる。
学校外では演劇や研究活動にも力を入れているが、いかんせん高校内ではほとんど友達が出来なかった。
そんな僕を唯一ずっと介抱してくれたのは短歌だった。
31字の短い世界に、下の下の僕はあまりにも魅了されて。
色んなコンクールなどに寄稿してみたが、採用はされることがなかった。
そんな時、僕はふと思いついた。
「それならば、自分の身近な生活を短歌にしてみればどうか?」

目に光がともったような気がした。

受賞コメント

「煙突の 右往左往は 海の中
我は素直こそ 満たされる空」

社会では自分の可能性が潰されてしまうことってよくあると思うんです。
波に飲まれ、たまには飲み込み、自分たちの中で気概の食物連鎖が起こっているような。
そうなればいつかは自分を失ってしまうのか。そんな杞憂も何回か訪れていました。
今回のCreative Awardでは、そんな
「煙突の煙のように自分だけは真っ直ぐに突き進むような真っ直ぐな心」
というテーマをもとに今回の作品を制作させて頂きました。
余談ですが、僕はマジモンのぼっちです。
言うなれば馴染めなさすぎて学校の修学旅行行かずに、
代わりに自分で予定立てて一人で4泊5日の北海道旅行に行ったことも。
そんな私には短歌がありました。
いろんな作品を読み漁りました。
そしていろんなコンクールにも応募しました。
結果は惨敗でした。
けど諦められませんでした。
自分はその自分である財産を貯蔵しておきたくはなかったのです。
意外と表舞台には出たいタイプの人間なので。
そして最後だと思って作成させていただいたこの動画で何とか優勝(金賞)を取らせて頂きました!
まさか高校の内に優勝できる人生だなんて、、、
短歌以外にもいろいろ活動はしてきましたが結果は残せなかったので本当に嬉しい限りです。
そして、もちろん大学でも短歌は続けて行くつもりです。
自費出版でマーケットに出してみたり。
SNSで軽く話題になってみたり。
かなり大きい賞を手にしたり。
あわよくば短歌だけでご飯が食べられるようになってみたり、、、
おっと、少し夢を膨らましすぎたかもしれません。
発酵させすぎました。
私のCreativeへの道はまだ始まったばかりです。
是非この金賞を次に繋げて行けたらなと思っております!
そしてこんな唯の陰キャラこの文章をまだ読んでくださるお優しい方々、
夢を追うのに年齢や壁は必要ない。
このことを知って頂きたいです。
僕もまだ出来てないので、これからですね。
少し自分の人生が明るくなった気がしました。
自分を捨てない自分を続けられるようにこれからも精進致します!

本当にありがとうございました!!!!

京都私立大谷高校3年
中村成夢 (つきのうえ)

審査員コメント

学校で輝かなくても友達がいなくても全然問題ない。「短歌」という自分なりのクリエイティブな方法で世の中を切り取っていく。それだけでものすごくカッコイイ!もし誰も見向きもしなかったとしても、僕らは最大級の評価をします!

柚木 恵介

たぶんいろいろな人にも覚えのある(かもしれない)、高校生の日々のなかの淋しさ、はがゆさ、もどかしさ、哀しさなんかが、つきのうえさんのフレームに入ると、丁寧でどこかユーモアのある短歌が添えられた風景に変わる。どこにも嘘のない言葉がすんなり心に入ってきました。短歌づくりはクリエイティブの基本になると思います。言葉を紡ぐこと、続けてください。

曽根 博美

校内の 孤独で蒼い 実験に クリエイティブの 根源を見た 
この感じ どこかで見た気が したけれど おそらく誰しも こんな時期あり
学園の 生活だけに おさまらず あらゆることを 短歌にしてほしい

田中 偉一郎

《JR東日本 秋田支社賞》
田口:クオリティの高い、とても好きな作品です。短歌を通じて「つきのうえさんの存在・思い」が伝わってきました。大学に行っても続けて欲しいです。
浜崎:つきのうえさんの世界に引き込まれる作品でした。友達が少なくても、賞に入賞しなくても、あなたの世界は素晴らしい。
内田:この作品がきっかけとなり、短歌を身近に感じることが出来ました。一見穏やかな雰囲気ですが、短歌への情熱を感じ、そのギャップがとても良かったです!残りの高校生活も、思いきり楽しんでくださいね。

高校生と一緒に地域盛り上げ隊

短歌の事は詳しく分かりませんが、小窓を通して風景を入れた映像は素晴らしいと感じました。

高校生のごはん応援隊

「記憶」とは「場所」と「言葉」が足し算や掛け算されてさらに化学変化を起こしたようなものだと思います。紙の窓の中に切り取られた場所。そしてその下に紡がれた短歌という言葉。つきのうえさんの高校時代の甘酸っぱい記憶の映像として残り続けることでしょう。
サカナクション「アルクアラウンド」のMVを連想しました。

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