最終プレゼンテーション
芹沢 高志
鹿児島にいる自分たちを灰かぶり姫と規定して、秋田版シンデレラの物語を構想した想像力は高く評価したいです。しかし合宿レポートを読むと、王子様も魔法使いも、さらにはシンデレラさえどこかに行ってしまい、比内地鶏で鶏飯をつくるという、美味しいとは思いますが、誰でも考えつきそうなアイデアの実現に終始してしまった印象を受けます。つまり最終プレゼン動画と実際に実行した合宿のギャップを感じたのです。なかば強引にでも、合宿の細部にわたって、徹底してシンデレラの物語を押し通したほうがよかったのではないでしょうか?
高橋 大輔
秋田と鹿児島。共通の社会問題である「地域発展」に、シンデレラ物語のモチーフを持ち出してきた点は独創的だ。秋田の食材を取材し、鹿児島の郷土料理とコラボさせてシンデレラフードを完成させた実行力も評価したい。だが肝心のシンデレラ物語との関係が見えづらい。最終日、鹿児島の秋田物産展で出会った人を探し訪ねるシーンがあるが、その再会の相手こそ、本プロジェクトにおける王子様だったのではないかーー。人と食のつながり、偶然がもたらす出会いの妙に気づけば、シンデレラ物語に通じるハッピーエンドをつかめただろう。
高嶺 格
鶏飯+比内地鶏、どうやってもおいしくなりそうなこの取り合わせが、やっぱりおいしかったというところに不満が残りました。予定調和に陥りそうになったときにどう変化球を加えられるかはアートの基本。普通の人が「こうなるだろう」と思っている予想を裏切るところにこそ進歩と発展があります。そのためには周りのモノに常にアンテナを張り、ときには嫌われる勇気を持つことです。とはいっても個人的にはおいしいものの方がやっぱり好きなので、鶏麺、今度鹿児島で食べさせてください。
山城 大督
4人それぞれの個性を生かし、チームワークがよい『creati部』。「灰かぶり姫」「シンデレラフード」などキャッチーなキーワードが魅力的で、企画力が非常に高い。合宿を通して対話をすすめると、彼女たちの芯の強さを感じた。しかし、最終プレゼンテーションの映像からは、本人たちが持っているユーモアや奇抜さを感じることが残念ながらできなかった。一番遠い地からの参加ありがとう。